水の事故でよく聞く不幸があります。
助けに行った方が巻き込まれて一緒に、もしくは救助者側が溺れてしまうというものです。
消防士時代、私は夏になると、依頼を受ければボランティアで小学校へ水の事故についての指導をしていました。夏休み前にプールの授業の一環としてです。
夏休みに入ると、家族で海やプールに行ったり、川辺でキャンプなどをする機会が増えるからです。
あとは、夏休みの最後らへんや9月は台風の時期で、8月からの約2か月、水の事故が全国的にも増えます。
水への入り方、
足がつかなくて溺れそうになったらどうするか、
発見者になったら、
などなどを教えます。
ポイントは2つ、
泳がず浮いて待つ(ラッコさんのように浮いて待ちましょう!と教えます)
ことと、
発見者になった場合、決して泳いで助けに行かず、
119番通報し、
浮くものを近くに投げてあげることです。
これは、家に帰ったらお父さんやお母さんなどに話してあげよう!って言っています。
浮いて待つときのコツは、
たっぷり息を吸って、体の中の空気を増やして、肺を風船の役割にすることと、
じっとして浮いて待つことです。
このじっとして浮くことこそが最大のポイントなんですが、
それはなぜかというと、
水面から約20センチ分しか人間の体が浮かないからです。
水に落ちてしまったとき、「助けてー」と叫びながら手を挙げることが一番溺れる原因となります。
「助けてー!」と叫んだせいで、肺の中の空気が無くなって、体が浮きにくくなり、
そして手を挙げることによって、手首から指先分までしか水面からでなくなってしまいます。(プールの授業の際、安全を確保した上で実際に展示して見せます)
クロールで泳ぐときのことを思い出していただけるとわかりやすいですかね。水かきをするために手を上げたら、顔も沈むため、真横ではなく斜め上を向いて息を吸いますよね。
この機序がわかると、何故人は助けに入ったらいけないのかがわかるかと思います。
いくら泳ぎに自信があっても、溺れている人が救助者につかまって暴れていたら、水面から出る20センチをその人に奪われてしまうんです。なので、救助者側が浮けないのです。
大人が小さい子を助ける場合であったとしても、巻き込まれて溺れてしまう可能性が大いにあるのも、そのためです。
消防が来るまで、何か浮くものを投げてあげる方が助かる確率は遥かに高くなります。
では浮くものとは?
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レジャー中だったら、クーラーボックスとか、空のペットボトル、未開封のポテチをリュックに入れるなど。
ランドセル、ボール、ロープも浮くようになっています。
命に関わります。覚えておきましょう。
夏休みが終わり、これから台風の季節になります。
誰も水の事故に遭わないことが一番ですが、もしものときは
この記事をお役立ていただければと思います。